現在のロック界の先駆けと言われ、17年ぶりの再結成に心震えたファンはどれだけいたでしょうか?そんな4人組オルタナティヴロックバンド・ナンバーガールの何がすごいのか?その魅力を考察してみました。

伝説のバンドと称される一方で、その強烈な世界観から「良さがわからない」とか「声が小さい」などという声も少なくありません。
そこで、ナンバーガールがそう言われる理由も解説していきます。








ナンバーガールの何がすごい?
ナンバーガールの奏でる音楽は、決して万人ウケする音楽ではないと思いますが、音楽に詳しい人にしてみれば、それはもう今の邦楽ロックに最も影響を与えたバンド、という認識が当たり前になっているんです。

1995年結成の彼らの曲を「今のバンドと似てるし、何がすごいの?」と感じる若い世代の人たちは、今のバンドが彼らをオマージュしている事を知らないんでしょうね、きっと。
「邦楽ロックはここから始まったと言っても過言ではない」と言われることこそがナンバーガールの最大のすごさなんだと思います。
じゃあ、そのどこがいったい凄いのか?良さが分からない人の為に、もう少し具体的に解説していきますね。
ヒーローが4人
ナンバーガールの記事を書いている音楽関係者が、決まって評価している彼らの魅力は、「4人全員が目立っている」という類の事です。

ビジュアルに関しては、全員どちらかと言えば地味ですが、楽器を持たせたら完全に解放され、4人全員がめちゃくちゃ個性が際立つヒーローなんです。
特にボーカルの向井さんは、どう見ても真面目な公務員か銀行員にしか見えないですよね?とてもあんな奇天烈なロックをやってるとは思えません。

他のメンバーにしても、一見、華奢でおとなしめの女性なのに、女性ギタリストとして右に出るものはいないと言われている田渕ひさ子と、向井さんが惚れ込んだルードかつ直線的な荒々しいベースの中尾憲太郎。そして、童顔ながら業界1、2を争う手数ドラマーのアヒト・イナザワと、それぞれの分野でも際立っている逸材揃い。
バンドだとどうしてもボーカルだけが極端に目立ちやすいですが、「良い」と言われているバンドは、例えば、ブルーハーツやBOØWYなど、たいてい2人以上目立つ人がいる、という法則の中で、ナンバーガールは4人とも目立っているとは、凄くないですか?
ノイズがオルタナティブ
ナンバーガールの素晴らしいところは、「勢い」「熱量」そして「魂」。
ナンバーガールは、「音楽」というより「ノイズ」だと言われることが多々あります。
彼らの演奏は、とにかく騒がしい。でもその中に魂を感じてファンは魅了されるんです。
メタルなのかパンクなのかジャンルが良く分からないし、サビが分かりにくかったり、曲の構成もハイレベルなので、なかなか真似しようと思っても真似できないのがナンバーガールの音楽。そしてそれが、彼らの奏でるオルタナティブ・ロックなんです。
ナンバーガール初心者の人なら、「なんだこれ?」と思っても無理はないけれど、それは全て計算された騒がしさで、観客を酔わせる最大の理由かもしれません。
ライブやライブアルバムで、その勢いや熱量、魂を是非感じてみて下さい。
ナンバーガールは声が小さい?
ナンバーガールは「声が小さくて聞き取れない」「何言ってるか歌詞が分からない」、などとよく言われますが、確かに、ポップスやスタンダードなロックが好きな人からすると、ぜんぜん歌が聴こえず良さが分からないかもしれません。
特にインディーズ時代のアルバムやデビューアルバムは小さいですよね。

でも、それには理由があります。
まず一つは、ボーカルの向井さんが「あまり聴かれたくない」とマイクから離れている、ということ。
なぜボーカルなのに聞かれたくないのか、というと「ボーカルが下手だから恥ずかしかった」そうです。
そのため、ミキシングの時にボリュームを小さくするように頼んでいたそうですよ。
また、向井さんが影響を受けたというPale SaintsやRideのように、ボーカルのボリュームを極端に抑え、楽器演奏を前面に押し出して、ギターのサウンドメイクを中心に楽器演奏を楽しむジャンルのオルタナティブ・ロックが好き、って事も関係しているのではないかと言われています。
まとめ
ナンバーガールは何がすごいのか?そして、声が小さい件についてまとめましたが、いかがでしたか?
何を言ってるのか聞き取れないその歌詞も、じっくり聞けば青春のモヤモヤ感がリアルに映し出されて懐かしさでいっぱいになる。それもナンバガらしい魅力だと感じます。
これからも、存分に酔わせて欲しいですね!